2006年07月27日
見える人、見えない人。感じる人、感じない人。
母は全く自覚が無いのだけれど、私は母を「見える」または「感じる」人だと思っている。
と、いきなり書き出すと「何のこと?」なのだけれど、一部の人にはこの話をするとかなりの嫌悪感をあからさまにされる。
そう、「霊の存在」だ。
母は祖父(母にとっての実父)が亡くなった後、何度も自宅(当時は旅館だった)で祖父を見たらしい。
ニコニコと玄関先に立っている祖父を見て
「お父さん!もうお父さんは死んじゃった事になってるんだから、誰かに見られないうちに隠れなきゃ!」
と、言った事があるというほど。
「気のせいじゃないの?」と聞くと、かなりムキになって「そんな事は無いわよ!だって本当にいたんだもの!」と言う。
そんな母が、先日きーちゃんが亡くなって以来、何度か部屋のドアをノックされているのだと言った。
最初は父から聞いた。
「お母さんなぁ…ノイローゼみたいになってるんや…。
夜中にいきなり部屋に来て(私の両親は別室で寝ています)、『今ドアをノックしたのはお父さん?』って聞いてくるねん。
寝てるっちゅーねん…。それも一回と違うんや。」
そして母と二人で話す機会があった際に、同じ事を聞いた。
「ノックされるの?」
「うん。寝ぼけてるとかじゃないの。起きてるから。
ドレッサーに座ってたら、ドアが『コンコン』って叩かれたから、『は~い』って返事したのよ。
でも入ってこないから、『お父さんどうしたのかなぁ?』って覗いたら誰もいなくて…。
この間から、そういう事が何度かあるのよね…。」
「お母さん、怒ってたり恨んでたり悲しんでたりする霊は、『コンコン』とはドアを叩かないのよ。
物凄い勢いで『ドンドン』叩かれる事は、多少なりともあるんだけどね。
その『コンコン』は、きっときーちゃんだよ。
お母さんがずっとションボリしてるから、『泣かんでええ。大丈夫や。』って言ってるんだよ。
きーちゃん、お母さんが目の前で泣くの苦手だったんでしょう?」
と聞いたら、母が泣きながら笑って
「そうそう、ドラマ見て泣いてたりしたら、黙ってティッシュを渡してくるような人だったわ。
泣かれるのが苦手みたい。だから泣くなって言われてたのね…。」
この3泊4日の間、母とはたくさんの想い出話をした。二人して泣きながら、楽しかった事、辛かった事、悔しかった事(主にきーちゃんのバカ息子達の事だけど…)、嬉しかった事などなど…話しているとキリが無い…。
「あれがしてあげられなかった。」「あそこに行きたいって言ってたのに、連れて行ってあげられなかった。」と話して泣く母…。
「あのね、東京と大阪を往復していた頃、途中に見える富士急ハイランドを『いつか行きたい遊園地だ~!』と憧れて見ていた私が、静岡に住むようになって富士急ハイランドに行ったら、『次は長島スパーランドだ!』って、次を望んでる。そのくせ今回富士急ハイランドに新しい乗り物が登場したって聞けば、ソレに乗りたいと思う。
人間の欲には限りが無いから、お母さんが例えおじいちゃんの望んでいたところに連れて行ってあげていても、『次はここに行きたい』『あれを食べたい』って希望はどんどん出てたと思うよ?」
と、私。
少し考えた母は、「それもそうね…」と呟く。
そして次は「でもこんなに早く亡くなるとは思わなかったから、後悔する事がたくさんあって…。」と泣く母。
「あのね、私おばあちゃんが死んでしまう前に、車の免許を取ったからっておばあちゃんを海遊館に連れてってあげた事があったよね?その時おばあちゃんは『凄く楽しかった!またどこかに一緒に行こうね。』って言ったのに、20歳を少し超えたばかりぐらいの私は、当時バイトに、仕事に、デートに、友達との遊びに忙しくて、おばあちゃんのところになんて行かなかった。
そうこうしてるうちにおばあちゃんの身体は弱ってしまって、その後ボケてしまって、どこにも行けなくなった。何度も『あの子はどうしてるんだい?』って言ってるって、お母さんから聞いてたのに。
きーちゃんもそう。『次はステーキを食べに行きましょうね』って言われていた約束を実現できなかった。倒れたと聞いてすぐに駆けつければ良かったのに、きっと大丈夫だと勝手に思い込んで会えなかった。
どんな関係の誰を見送っても、必ず残された人は何かしらの後悔をすると思う。でも、それでもいいんじゃない?その方が、悲しいけれどその人の事をたくさん思い出すよ。」
今度は私も泣きながら話してて、ちっとも説得力が無い。でも二人で泣きながら、母が倒れてからの病床のおじいちゃんの写真を、携帯で撮ったときの物などを見せてくれたりして、たくさん思い出話をした。
おじいちゃんは、母が「今から行きます」と電話をかけた時点で、既に脳梗塞を起こしていた。
母の名を小さな小さな声で呼び、電話は切れた。そして梗塞を起こした状態のまま勝手口の鍵を開けに行き、そこで力尽きて倒れていたのだそうだ。だからおじいちゃんが最後に口にした言葉は、母が電話で聞いた母の名だったらしい。その声が脳裏から離れなくて、母はずっと苦しんでいたのだ。
そしてその事はあまりにも辛くて誰にも話せず、他の人にはどこで倒れていたのかも、最後に口にした言葉も伝えていない。
「もう駄目だろう」と勝手に思った長男は、倒れて一週間もしないうちに母に「金庫の鍵を渡せ」と要求してきたらしい。が、母は「まだ生きてるんだから。きーちゃんのお金だから。」と拒否。すると彼は彼の仕事の土木関係や関連のやくざ絡みの連中、趣味の空手関係の人間を連れてきて、挑戦。最後には金庫屋さんを連れてきて金庫をぶっ壊し、中にあった、母が知ってるだけでも1000万円以上の現金を全て持って行ってしまったらしい。
お葬式の後は、財産分与を行うのに、きーちゃんの財産のほぼ全てを把握している母に秘書として来て欲しいと、バカ息子二人は悲しみにくれる母の争奪戦をしたらしい。が、母は「私はもう、誰かの元で働く事は無いです。これからは老いた母と主人の為に生きます。」と、断ってきたのだそうだ。きーちゃんが懸命に守ってきたものを、湯水のように使っていく二人を見たくなかったのもある…と、母は言った。
携帯にある、病床のきーちゃんの写真を、母は「消せない。でもまだ辛くて見れない。」と言った。
お葬式の時に配られる様々な物も、大事に取ってある。
けれど、最後にきーちゃんから預かっていたお金の中から出した「粗供養」だけは、お金を預かったときの事を思い出してしまって辛いから…と、私に預けられた。
私も、家の電話と、私の携帯のメモリに入っているきーちゃんの電話番号が消せない。もう、かかってくる事は無いのに。
「もう、お母さんに何かあっても、その報告の電話をくれる人がいなくなってしまった。
今までは離れていても、怪我をしたこと、倒れたこと、病気になったこと、全部きーちゃんが教えてくれた。
これからお父さんとお母さんが、ちゃんと教えてね…。」
多分きっと教えてはくれないだろうけど、そう母にお願いした。
私の両親は、見た目はとても健康そうなので色々な事を頼まれたりするし、あまり断らない人だから何でも引き受けるけれど、本当は毎日三食後に何かしら薬を飲まなければならない、薬漬けの人たちだ。
今ほど…離れて暮らしている事を、心細く思った事は無い…。
母は、その時本当に「会いたい」と願う相手に、会う事が出来たり、存在を感じられる能力を持っている。
それが本当に羨ましい。
私は…オットや友人には見えない人が見えたりする事はあるものの、本当に会いたい人に会えた例が無い。
出来ることなら…花嫁衣裳を見せられなかった祖母に、会いたいのに。
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2006年07月27日 11:13
| Category : 日々徒然・・・, つぶやき
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コメント
すぴかちゃん・・言葉にならないよ・・
涙があふれてしまって・・(T-T) ウルウル
おじいさま(きーちゃんのことね)は本当にお母さまを大切に思ってくれてたんだね。そして、大好きな人に逢える力を持っているお母さまをうらやましいというすぴかちゃんの気持ちもよくわかる・・
わかる人・・それはだんなさまだから・・。お空の子のメッセージも・・姿もたまに見えるらしい。母である私には1度も聞こえないし、見えないのに・・
だんなさまに言わせると、わたしのそばにいるらしいけど・・
わたしも関係ない霊は感じることがあるし、霊に憑かれることもある。なのに・・あの子のメッセージも存在も感じることができない。寂しいしつらくなる・・・(・・,)グスン
お父さまとお母さま・・無理なさらないといいね。私の母の場合は離れてはいるけど、兄がいっしょに住んでいるから、何かあったときはすぐにわかるけど・・すぴかちゃんはそれができなくなったんだよね。心細くなったこともわかるけど、今はとにかくすぴかちゃんの笑顔をお空のおじいさまにご両親に見せてあげたり会いに行くことがいいんじゃないかな?
でも、簡単には行けないこともわかる。わたしもすぐには逢いに行けないの・・
ご主人様の優しさに感謝だね☆彡
すぴかちゃん、お母さまの悲しみが少しでも癒されますように・・☆彡 *.:*:.。.: (人 *) 願い事願い事...
最後に・・そのおじいさまの息子さんたちに腹がたちました。実父の死をお金にしか見えないのか。一生懸命守ってきたおじいさまの無念が感じられて・・つらいです。
私も悔やむことがいっぱいあるよ・・・。すぴかちゃんだけじゃないよ・・。がんばってこうね☆彡
長くなってごめんね(o*。_。)oペコッ
重複した投稿削除してくれてありがとう♪
投稿者 みゆ☆彡 : 2006年07月28日 09:30
>みゆ☆彡ちゃん
母は、自分が「見える」人だとは思ってないのよ。だから「霊が見える」んじゃなくて、「そこに居た」って表現するんだと思うんだよね。
ちなみに私の祖父を全く知らないのに、祖父の外見を「そこにいるから」と全てピッタリと言い当てた後輩曰く、祖父はあの世に成仏する事無く、今でも母を心配そうに、愛しおしそうにそばで見守っているのだそうです。
みゆ☆彡ちゃんのそばにいるベビーちゃんも、まだお空に帰っていないのね。
あんまり泣くと、心配でママのそばを離れられなくなっちゃうね。頑張って一度お空に帰って、また戻ってきてもらえるようにしなきゃ!
でもこのところ、みゆ☆彡ちゃんも強くなってるみたいだから…そろそろ安心してベビーちゃん、一度戻ってすぐにこっちに帰ってきてくれるかも…(*'ー'*)ふふっ♪
祖母をそばに感じるって話は、両親、私共に一度も無いので、多分この世で好き放題した祖母は、そのまま思い残す事無くスッキリ空に帰っていったんだろうなぁ…。
私ね、祖母が亡くなったのは7月。結婚したのはその年の9月なの。(1度目のね)もう全部決まってたし、祖母はとうに寝たきりで認知症も進んでて何も分からない状態だったから、父が「喪中なんて気にするな。そのままお前はお前の人生を進めていってくれ。」って言ってくれて。
たったの2ヶ月…いつも私は間に合わないんだよね…。亡くなった時も「危篤」の連絡を受けて、祖母宅へ急いでいる最中、車の中で息を引き取った電話を受け取った。
今回も。行く予定の日の8日前に亡くなってしまった…。
きーちゃんのバカ息子たちの愚行は、本当にたくさんあります。
書くのも辛くなるし、母も話すのが辛い事は話さないし。
何があっても、全て金。きーちゃんが倒れてすぐに、金庫をぶっ壊して中のお金を強奪して行った長男は、入院中の父親を1度(しかも15分ほど)しか見舞ってないのです…。父親の家に金庫をぶっ壊しに行く時間はあるのに、お見舞いに行く時間は無いらしい。本当に悔しいよ。
(ちなみに母はこの事【金庫ぶっ壊し】【お見舞いが1度きりで、しかも15分!】を誰にも言ってないらしいの…。きーちゃんが可哀想だからだって…。)
コメント、いつもありがとね♪
投稿者 すぴか☆彡 : 2006年07月28日 15:35
きーちゃんの事は残念でしたね。
心より、ご冥福をお祈りします。
私は仕事上、沢山の死に会ってきているので
うちでは動物を飼う気になりません。
亡くなったりすると、自分を責める傾向にあるからです。
夜勤していた時代に、夜中になるとドアのノックが聞こえました。
患者の幽霊が出るという噂は本当でした。
私は、霊感が無いと思っていたので
それが、始めで最後の体験にしたいと思っています^_^;
投稿者 まきりんご : 2006年07月29日 12:23
>まきりんごちゃん
優しい言葉を、ありがとう。
とても嬉しいよ…。
私の従妹や小学生の頃からの親友も、看護師で頑張ってるんだけど、やっぱり夜中にナースコールが鳴るとか、ノックが聞こえるっていう経験はしてるって話してたのを思い出すよ。
本当にある事なんだね…。
大切な大切な人とは、幽霊でもいいからお話がしたいんだけどなぁ…。
投稿者 すぴか☆彡 : 2006年07月30日 00:01