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2006年06月17日
母からの電話。
先日の『祈り』の後日談。
母から電話があった。
前日までは明らかに元気で…パートに来ていた人にぴしぴし仕事の指示をしていた、おじいちゃん。
翌日の朝、母との会話が
母:「おはようございます。」
爺:「あー。」
母:「今から家を出ますねー。」
爺:「あー。」
いつもなら「気を付けて来て下さい」と必ず言うのに「あー。」しか言わないのは変だと、直感で感じた母は大急ぎで行ったのだけど…。既に布団の上で脱力し、表情も無く起き上がれないおじいさんの姿があったらしい。
それでもいつも冗談でそういう事をして、「どうしたんですか?!」と駆け寄る母に「アホか~!」と笑う事があるので、一瞬躊躇した母。もしもの事を思って駆け寄り、「お名前を教えてください!!きーちゃん!!」「あー…。」速攻で救急車だったそうだ。
既に小脳部分はレントゲンでも白く写ってしまうらしく、回復は恐らく不可能。
言葉を発することと、固形物を食べる事は無理だろうとの事。
あんなにおしゃべりで、グルメなおじいちゃんだったのに。
お見舞いに来てくれたお客さんが帰る際に「また来るわな!」と声を掛けるといつものように頭の辺りまで”ひょいっ”と手を上げて挨拶をする。「おー、分かってるやんか!安心やな~!」と皆帰っていくのだけど、本当は…その後誰もいなくなっても、15分も20分も手を上げて挨拶をするらしい。
「こちらの事を分かってるのか、分かって無いのかが分からない。」
と、母が言った。
けれど先日母がいつもより1時間ほど早く帰ろうとした際、
「じゃ、今日は少し早いけど帰りますね。」
と母が言っても、手を上げて挨拶をしてくれない。
「バイバイしてよ、ね。」
おじいちゃんの手を持ち上げてバイバイさせようとしたら…。
その手をぎゅーっと自分の胸元に置いて、離さなかったらしい。
「バイバイしてくれないと、帰れないよ?バイバイして?」
母が言っても、手をぎゅーっと胸元に握り締めたまま離さないおじいちゃん。
「いつもより早く帰っちゃうって事、分かったのかな…。」
母が呟いた。
「分かってるんやって。帰って欲しくないから、バイバイせぇへんのよ。
病院の先生が何を言うたんか知らんけど、先生は脳梗塞になったこと無いんやし、実際にどこまでの回路が生きてて、どこまでが駄目になったんかは分からんやろ?
だから信じたり?きーちゃんの生きる力を信じたり?
実際に小脳梗塞で倒れて、杖で歩けるまで回復した人もおるんやから!!」
母が、おじいちゃんの話を少ししてくれた。
私達がGWに会いに行った際、おじいちゃんはとっても喜んで「次はステーキを食べに行きましょう!」と誘ってくれた。おじいちゃんがいつも行くところは、100g当たり6,000円とか、8,000円とかのお肉が出るお店。とても普段私達が行けるお店では無い。
私達が帰った後…
「こないだのステーキの話やけどなー。どういう風に行こうかな。○○君(オット)が迎えに来てくれるなら、来て貰って皆でお店に向かおうか。皆どれくらい食べれるかな?300gぐらいは食べられるかな?ワインは飲めるんかな?飲み過ぎないように気を付けんとなぁ。帰りは送って貰わなくてもタクシーで帰るからな。気にせんでええぞ。」
そんな事を言っていたらしい。次に私達が帰るのは年末だよって、GWに話したのに。
そんな先の事を楽しみにしてくれてたんだ…。
そんな会話をしたことを思い出しながら、おじいちゃんの家の掃除に行った母は、たくさんの手紙の一番上の一番目に付くところに置かれた、私からの「GWは、美味しいお食事をご馳走になってありがとうございました。次も楽しみにしてますね。」という手紙を見つけて、涙が出たらしい。
「もう1ヶ月以上前に届いた手紙なのに、いつも一番上に置いてニコニコしながら見てたんよ。」
…泣きたくなった。
身内の縁に薄いおじいちゃんの元へは、息子も嫁も来ても15分ぐらいで帰ってしまうらしい。母は朝一番に病院に行き、付き添いをしている。
そしておじいちゃんに良くしてもらった様々な人たちが、留守の間の掃除や付き添い、身の回りの世話などを甲斐甲斐しくしてくれている…と、母は嬉しそうだった。
「私もお見舞いに行きたいねんけど。
何かあってからやったら遅いから、会いに行きたいねんけど。」
「今来ても、分かってるかどうかも分からんのよ。
もう少し…入れ歯外れて髭ぼーぼーでぽかーんとした顔じゃなくなってから、様子見に来てあげてくれる?今の状態はあまりにも悲惨で…会わせたくない。」
何か容態が変わったらすぐにでも電話してきて欲しい…とお願いした。
いつでも行ける状態にしておかなければ。
運の悪い事に私の実家には今、母方の祖母が来ている。
祖母は母や私とそのおじいちゃんとの関わりを知らないので
「どんなにしたって、所詮は他人さんやねんから、そんな必死にならんでも。
あんたも体調完全じゃないんやし、そんな頑張ってもしょうがないやんか。
だから行かんでええ。行っても早く帰っておいで。」
と、ずっと言い続けているらしい。
仕方が無い。祖母にとっては、腎臓に爆弾を抱えている母の身体が心配なのだから。
そんな祖母を説得してくれているのが、母がずっと家を留守にして申し訳無いと気を遣い続けていた父だった。
私が言った事と全く同じ事を、父は母に言ったらしい。
「今までたくさんたくさん…言葉では表せないほどお世話になったんだから。
おばあちゃんの事は気にしなくていい。もしここでおばあちゃんの目を気にして、お母さんがきーちゃんの所に行くのを控えて取り返しの付かない事になったら…お母さんはおばあちゃんをとても複雑な思いで見る事になってしまう。
目に見えること、目に見えないこと、お父さんが単身赴任だった時、私とお父さんが東京に行ってしまった時、本当にたくさん心の支えとして…お互いに支え合って生きてきたんでしょう?
お母さんはもしこのままここでお世話から手を引いたら、多分一生後悔するでしょう?
だったら『私に出来る事は全てやりつくした』と思えるだけ頑張っておいで。
『私に出来る事は全てやったんだから、もう悔いは無い』と思えるだけ頑張っておいで。
その後お母さんがもし疲労で倒れるような事があったら、私が大阪に帰ってお母さんの世話をしてあげる。だから、出来る限りの事をやっておいで。」
今こうして日記を書いているこの瞬間も、きーちゃんは、頑張ってる。
母も頑張ってる。
言葉が…伝わってるのか、分からない。それは分かってる。
でも手紙を書こう。病院には電話出来ないから、手紙を書いて母に読んでもらおう。
頑張れ、きーちゃん。負けるな、きーちゃん。
まだまだ早いよ。向こうの世界に行ってしまわないで。
もっと話を聞かせて。もっと冗談言って笑わせて。もっと色々な事を教えて。
思いを込めて、手紙を書こう。
![]()
2006年06月17日 15:56
| Category : 日々徒然・・・, つぶやき
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コメント
\(*⌒0⌒)bがんばっ♪
※o(▽ ̄*)ノフレー※\(* ̄▽ ̄*)/※フレーヽ(* ̄▽)o※
きーちゃん(すぴか☆ちゃん・・言わせてね)
ただ・・ただ・・応援してます!
すぴか☆ちゃんにとっても、お母さまにとっても、まだまだあなたが必要なんです!!
だから・・お願い・・頑張ってください。
そして・・すぴか☆ちゃんも無理しないでね・・お母さまへも同じ気持ちです。
すぴか☆ちゃんのきーちゃんへの想いが・・そして、きーちゃんのすぴか☆ちゃん母子への想いがものすごく伝わってきます。苦しいくらい・・に伝わってくるよ。
すぴか☆ちゃん・・応援してるから・・そして、ずっと祈っているから・・ひとりじゃないからいっしょに祈っていこうね♪
投稿者 みゆ☆彡 : 2006年06月17日 23:25
>みゆ☆彡ちゃん
ありがとね(´;ω;`)ジンワリ…
高校生の頃に父親を亡くした、母。
10歳の頃に父方の祖父も無くした、私。
「おじいちゃん」と聞いて頭に浮かぶのは、きーちゃんだった。だから頑張ってもらいたいんだぁ…。
辛くて苦しい思いをする事は、分かってるんだけどね…。
母がもし、大変な立場に立つ事があったら、私も父も全力で母を支え、守ろうと思ってるよ。
投稿者 すぴか☆彡 : 2006年06月18日 15:54
きーちゃん良くなるといいね(^^♪
この前、身内でないから何も出来ないって書いたけど…
実は、元患者には身寄りがなくて…お金貸してるよ。
たぶん戻って来ないけど。引越しも旦那と手伝ったし。
私にとって初めての患者さんだし、今も看護を続ける事が出来るのは、その人のお陰も大きいから。
最近は会ってないけど。まぁ必要無い人間なんて居ないから
助け合いだよね。お金だけでなく、心の支えもないとやって行けないし。
投稿者 まきりんご : 2006年06月19日 11:14
>まきりんごちゃん
ありがとうね('-'*)エヘ
そう、人って一人じゃ生きていけないんだよね。
誰かと支え合って。
おじいちゃんと母は、しっかり支え合って生きてきたと思う。
知り合ってからの20年間。
だから後悔の無いように、しっかり頑張って欲しいと思ってる。
私に出来る事なんてほとんど無いけど…。
遠く静岡で祈ることは、出来る…。
投稿者 すぴか☆彡 : 2006年06月19日 13:31
こんにちは。初めまして^^
いつも「がんばってます35~」をロムさせてもらってます、
さんとらといいます m(__)m (35歳です)
今日初めておじゃまさせていただきました。そして・・
泣きました。
私も、必要のない人なんていないと思いますし、きっと、
お母様ときーちゃん(初めてなのにすみません)との出会いは
お互いに必要(必然)だったのだと思います。
私にも、広島から祈らせてください m(__)m
どうか、お母様、無理なさらずに、そして悔いのないように・・なによりきーちゃんの回復をお祈りします。
投稿者 さんとら : 2006年06月19日 17:47
すみません、間違って2度投稿してしまいましたm(__)m
消し方がわかりません・・申し訳ないです
投稿者 さんとら : 2006年06月19日 17:51
>さんとらさん
ようこそです(⌒▽⌒)
いえいえ、二重投稿の二個目の方は消しておきましたですー。
そして、きーちゃんと私達母娘の為に祈ってくれて、ありがとう。
ここに来てBlogを読んでくれた人、一人一人が祈ってくれて、その祈りが天に届いたら…。
医者から「戻ったら奇跡」と言われている様々な機能が、戻るかもしれない…なんて事を思ってしまったりします。
母も爆弾を抱えた身体なので心配ではあるのですが…無理せず悔いの無いように、頑張って欲しいと思っています。
書き込み、ありがとう!!
投稿者 すぴか☆彡 : 2006年06月19日 18:33