2006年04月25日
予告連絡。
月曜日、とある友人から自殺予告の電話を受けた。
自殺の予告連絡を受けるのは、二度目。
一度目は携帯へのメール。約1年前。止めようと頑張ったけど、薬を飲んだ後だった。
そして、飲んだ薬の量が足りなかった彼は、数日後に意識を取り戻した。
彼は親から言葉の暴力を受け続けていた。
「お前なんか死ねばいい。家にいるだけで迷惑だ。」
これが自殺のきっかけだった。
二度目の連絡は電話だった。前述の彼とは別の女性。
体調があまり良くなかったので布団に入っていた私。
でも一気に目が覚めた。血の気が引いた。
「姐さんごめん、借りてた1,000円返すの遅くなる。もしくは返せない。」
「何があった?」
「もう何もかも嫌になった。今遺書書いたの。この電話で最後。」
「何があったか、整理して言ってみ?」
「うん…あのね…(事情を聞いた)…。だからもう、死ぬしか無くて。」
彼女は幼い頃から親に虐待されて育った。
10歳の頃には既に鬱病で、PTSDで、パニック障害も少しあり、他にも様々な精神的負担を強いられて、心の病を抱え生きてきた。
若くして結婚し、子供を産み、離婚の際にその子供の親権を奪われた。
困った時にどんなに助けを求めても助けてくれなかった虐待親との接触は、精神科医から止められているのだけれど、自分が困った時だけはその親も自分に娘がいた事を思い出すらしい。彼女に連絡が入って強制的に巻き込まれる。その度に彼女は発作的に自殺しようとする。
その他にも様々な要因で彼女は何度か死にかけた。よく「自殺予告するヤツは、実際には本当に自殺しない」なんて言うけど…彼女の場合、「未遂」で済んでいるのは単に周りの人間が彼女を常に気に掛けてるから…というだけ。今までにも「なんか胸騒ぎがする。」「なんか電話の様子が変だった…。」そんな予感で彼女の元を訪れた人間が救急車を呼んだことで救われた事が、何度もある。そう、彼女は「自殺未遂」をしたいんじゃなくて、本当に「死にたい」のだ。
どうしてこんなにも、この世界は生き辛いのか…何故こんなにも様々な出来事が彼女を襲うのか…彼女と話すたびに胸が痛む。
今回の直接的な原因は、彼女の母親の入院。
長年虐待されて育った彼女は、親から何かを命じられると、どんなにDr.ストップがかかっていてもその希望に応えようと奔走してしまう。その結果が招いた、様々な出来事。
私は…20歳の頃、当時の彼氏から2年間に及ぶDVを受けていた。彼女のように長年では無いけれど、それでも暴力で押さえつけられていた人間が、相手の言いなりになってしまう心理は理解出来る。でも彼女が「信頼しているが故に」最初に相談した相手は、その経験が無い為に「何故Dr.ストップのかかっている相手にわざわざ会いに行き、入院費用まで出してやり、そして自分は借金をしようとしているのか理解出来ない。お前のやってる事は間違ってるし、理解出来ない。馬鹿だとしか言いようが無い。」というような意味合いの罵りの言葉を彼女に吐いたらしい。信頼していたからこそ相談したのに、反対に罵られる結果となった彼女は打ちのめされ、死ぬしか無いと考えたようだった。
「とりあえず落ち着け。そして私の話を聞け。薬は飲んでない?」
「うん、ちゃんとした会話が出来ないと、姐さんに悪いし…。」
「(変なところに律儀で助かった…)そう。…あのね、人間誰しも全てを分かり合える相手なんて、滅多な事じゃ巡りあえないんだよ。この人となら一生共に生きてもいいと思った相手でさえ、途中で『あれ?違うかも…』って思う事もある。それは分かるでしょう?」
「うん、分かる。」
「DVは、受けた事がある人にしか、相手の言いなりになってしまう心理は理解出来ないよ。他人事として聞いてる分には、『逃げればいいじゃん』『別れればいいじゃん』『言う事なんて、聞かなきゃいいじゃん』としか言わない。そうだったんでしょう?」
「うん、そう言われた。なんでわざわざ会いに行くの?俺なら行かないねって…。」
「だろうね。でも私には分かるよ。来いって言われたから、行かなきゃならないと思っちゃったんでしょう?」
「うん…すぐに行かなきゃと思って…。」
「それはね、仕方の無い事なんだ。誰に責められたって、それは相手がその心理を理解して無いだけ。だから相手に責められた事で自分を責める事は無い。相手が分かってないだけなんだから。相談する相手を間違えたんだよ。」
「そうかな…。」
お金の問題もあった。彼女は…手持ちの全てのお金を、母に渡してしまっていた。
「財布に残ってるのは、あと56円。今日電気が止まって、来週ガスが止まるの…。」と彼女は言った。そこまでしてしまう心理を…理解出来ないのは仕方が無いかも知れない。
そして折り悪く彼女の住居近辺は急速に治安が悪化していた。何でも「ピンポンダッシュ」ならぬ「ノックダッシュ」があるらしい。しかも深夜に。立ち退きを迫られている建物だから、もしかしたら嫌がらせかもしれない。けれど、ここ最近精神的に追い詰められていた彼女には、深夜に続くそれがたまらなく苦痛だったのだ…。
そして数日前、彼女は引ったくりに遭いかけて恐怖から解離状態になり、気付いたら相手を素手で血まみれにしていた。その事に対する自分への恐怖。
「引っ越さなきゃいけないの…でもお金が無いの…。生活費も無い。闇金にお金借りようと思ったら、印鑑証明がいるって。でも印鑑証明を取るお金も無いんだよ。もう駄目だよ…。」
「待ちなさい。闇金は駄目。あんた運良く今年知り合いの社長の会社に、就職したじゃないの。だったら給料の前借を申請しなさい。」
「…そっか…そうすればいいのか…。」
「給料の前借なら、受け取りに行かなくても振り込まれるでしょう?そこから考えよう。まず闇金は駄目。それ以外の方法から。」
そんなやり取りが続いた。約30分。
途中で「それにさ、今あんたに死なれちゃ困るのよ。だってこないだ引越したとき、今あんたが住んでるそこの住所連絡してこなかったでしょ。葬式に行けないじゃないのよ。」と言ったら、電話の向こうで彼女が笑った。
「いいよ、私が死んだら二週間ぐらい泣いて?それから、時々思い出して?それでいいから。」と言うので「何言ってんの?二週間で済むと思う?泣く事は泣くけど、その後怒るよ?馬鹿野郎って。それからね、思い出すってのは、普段忘れてるから言える言葉なんだよ。私は思い出したりしないよ。忘れないんだから。」
「それからね…忘れちゃ困るわよ、あんた私といっぱい約束してるんだから。まずこないだ会った時の写真。焼き増しして渡すって約束してるよね?それからあんたの携帯で撮った写真。私にくれるって約束したよね?それと、私に子供が出来たら、服プレゼントしてくれるって言ったわよね。あんたの趣味の服貰うの楽しみにしてるんだから、いなくなられちゃ困るのよ。私の目標が無くなるじゃないの。」
「……でも…もうさっき、日記に『もう駄目』って書いちゃったんだよ。お別れの挨拶しちゃったよ。」
「だったら、『でも頑張る』って日記を書きなさい。もう一回頑張るよって決意表明しなさい。誰も戻ってきたあんたを責めない。良かった!って安心するだけ。」
「そうかな…うん…もう一回頑張ってみる…。頑張れないかも知れないけど。でも頑張ってみようかな。」
「うん、頑張り過ぎなくていい。たまには人に甘えればいい。でも…本当は使いたく無い言葉だけど…一緒に頑張ろう。生きてて辛い事はいっぱいあるけど、でも私は死ななかった。ここにいる。あんたも見てたでしょう?私が何度も死に掛けた姿を。でも私は生きてる。だからあんたも、一緒に生きよう。」
彼女の手首に残った、何十本もの傷跡を思い出した。
それから数時間後、恐る恐る彼女の日記を見た。
「でもがんばる。」という日記がアップされていた。
手が震えた。涙が出た。嬉しかった。
彼女が生きててくれた…それだけで十分。
そして昨日の私の日記は、彼女の日記と密かにコラボレーション。
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2006年04月25日 16:58
| Category : つぶやき
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コメント
凄い辛いね・・・読んでて寒気がしました。。。
DVや虐待は確かに経験者でなければ分からないと思います。
現に私も同じ様な事を思ってしまう一人だと思います。
逃げられない、何かを信じたいそう言った気持ちがあるからまた同じ事を繰り返してしまうんでしょうね。。。
とっても純粋なんだと思います。
その方、立派に立ち直って元気に笑って欲しいです。
その為にもすぴかさん!側で応援し続けてあげて下さいね。
投稿者 ひろろ : 2006年04月25日 18:38
DVや虐待って他人から見ると「なんで逃げないの?」だよね。でも逃げられない。「私は逃げられない。」って暗示をかけちゃってるのかも知れない。だからその呪縛から放たれたとき、本当の意味で自由になれる。
私は彼氏だったから別れればおしまいだった。
でも彼女は「親」だから…全ての関わりを捨てられないのよね。どこかで「親は見捨てられない」っていう気持ちがあって。
見ていて切ないです。
本当はもう、連絡なんて絶って欲しい。
携帯の番号も、連絡先も全て教えずに。
でもそれが出来ない。
そして、そんな彼女の優しさや弱さが、きっと周りの人を惹きつける一つの要因でもあるのね。
投稿者 すぴか☆彡 : 2006年04月25日 22:09
読んでいて・・涙がとまりませんでした。
私も似たような経験があります。虐待とかはないですが・・実父に物心ついた頃から裏切られ続け・・でもなぜか信じてしまう・・今は父から逃げる事ができている私ですが、それは今のだんなさまと出会っているからで・・・
同じような立場になってた可能性も・・と思うと・・たまらないです。だからこそ・・彼女に立ち直って欲しい!すぴか☆さんも大変なときだと思います。でも、彼女を助けてあげれるのはすぴか☆さんしかいないんですね。
応援するくらいしか出来ませんけど、頑張って乗り越えてほしい・・・という祈りをこめています。 フレーヾ( ̄^ ̄ゞ)( 尸ー ̄)尸_フレー
投稿者 みゆ☆彡 : 2006年04月25日 22:13
私の友人にもそういう事あって、説得したことがあります。
話しているうちに、私までつられそうになりました。
今は元気ですがー社会復帰は出来ていません。
人生は優しさだけでは生きて行けない。
時には、ずるさとかー強さも必要に思う。
他人の辛さを変わってあげられない。
だけど、見守ることは出来ると思う。
すぴか☆さんも無理しないで下さいね\(^o^)/
投稿者 まきりんご : 2006年04月25日 22:27
>みゆ☆彡さん
彼女の人生は本当に壮絶で、物心付いたときから姉とは別物として扱われ、家族から下僕のように扱われてきていました。どんなに逃げたくても、親だから逃げられない。「裏切り」以前に、彼女は「信じる」心を育てられなかった。それが本当に痛々しくて悲しいです。子供の頃の彼女に会って、抱き締めてあげたいほどに。
「親」の「虐待」…そんな中で生きてきたから、彼女はあんなにも壊れてしまっているのだろうな…と思う。そして最愛の息子との別れ。たった一人、全身全霊をかけて愛せる対象を、やっと見つけたのに。
それなのに…私がDVを受けていた頃はまだ彼女と知り合ってなかったけど、、その後彼女と知り合い、別れ、数年後に私が重度の鬱病になってしまった頃…連絡の途絶えていた彼女は、昔の仲間から私がそういう状態である事を伝え聞き、連絡をよこしてきました。そして「困った事があったら、何でも言って。辛い時には愚痴も聞くから。大丈夫だよ、鬱病なら私の方が先輩だから!身体は傍にいなくても、心は寄り添ってるから、一人じゃないよ。」と励まし続けてくれた。
自分の事は放っておいて、人を心配して奔走する。本当に本当に、心の優しい、純粋で、綺麗なまんまの子なんです。
彼女を助けてあげられるのは、私じゃない。私は彼女のヒーローじゃない。
彼女の周りには、たくさん素晴らしい人たちがいます。
彼女の為に走り回り、救急車を呼び、命を救ってきた人たち。
そして、彼女には待っている人がいて…その人の存在だけが彼女の救い。
でも今回だけは…最後に電話してきてくれて、本当に良かったと思ってます。
>まきりんごさん
つられ鬱…鬱の人の傍に居ると、鬱が伝染する…と、よく言われます。
特に元々鬱病を持っている人は、引き摺られてそのまま自分も再発させると。
オットはそれを一番心配しています。でも私は彼女との連絡を切れない。
前回自殺予告をしてきた人には、オットが直接話しました。私のいないところで。
当時の私は彼の鬱に引き摺られた上に、彼の自殺未遂で精神的にボロボロになり、私自身がかなり酷い状態まで落ち込んでしまって…。
オットは「君がどんなに彼女にとって大切な友達であろうと、俺にとって守るべきものは彼女なんだ。死にたければ一人で死ねばいい。彼女を巻き込むのは止めてくれ!そして死ぬとかそういう連絡よりも、『大丈夫だよ、ごめんね』って言って安心させてやってくれ。でないと彼女の方が死んでしまう。」と、彼に言ったそうです。
後日彼と話した時に、泣きながら「私は何の力にもなれなかった」と言う私に、彼は「俺はそこまで君に辛い思いをさせていたなんて、知らなかったんだ。そしてそんなにも心配してくれる人が居るって分かって、本当に嬉しいんだ。ありがとう、そしてごめん。元気になったら連絡するから、それまで待ってて。」と言って一度私の前から消えました。
彼との連絡は、つい最近復活しました。
長年虐待を受けて引きこもってしまっていた生活から脱却し、中国地方から関東へ就職して引越し、新たな生活を始めたそうです。とても元気そうでした。
これからの彼の人生も、出来ることならずっと…明るくあって欲しいと願います。
心配してくれてありがとう(⌒▽⌒)
投稿者 すぴか☆彡 : 2006年04月26日 08:08
すぴか☆ちん強くなったね。
鬱病の人に「頑張れ」は言ってはいけないことだから
この前のコメント書くとき一瞬躊躇したけどもう大丈夫だね。
そばで守ってくれている人もいるし。
でもその彼女達の力になるときに
自分を見失わないように気をつけてください。
すぴか☆ちんが彼女達を見守っているように
すぴか☆ちんにも見守ってくれる人がいることを忘れないでね。
とノーテンキな人生を過ごすオレが言ってみる・・・orz
投稿者 だめあいす : 2006年04月26日 10:26
そうだったんですか・・・何も知らなくて勝手なことを言ってごめんなさい・・(o*。_。)oペコッ
投稿者 みゆ☆彡 : 2006年04月26日 15:29
>あいすくん
強くなれた…のかも知れないけど、まだ時々不安定な自分もいます。
ふらふらしかけた時に、支えてくれる人がいる事には、幸せを感じる。
今まで共倒れしてくる人はいても、こういう精神状態の時に支えてくれる人は、そばにいなかったから。
でも、ふらふらしない事が、本当は一番なのにね…。
その点オットにはとても迷惑をかけてる…と思ってるんだよね。
心配してくれてありがとね。
>みゆ☆彡さん
いやいやいやー…今回の事はね、何とか踏みとどめさせる事は出来たけど。
その後彼女の為に金策に奔走し、彼女の新居を決める協力をし、彼女の引越しを手伝うと名乗りを上げた人たちがいるのよ。
私は、そういった点では何も出来なかった。それほど長距離でも無い癖に。
そして彼女はそんな私の状態を見越して、「助けて」とは言わなかった。
そんな無力感も味わってしまった、この度の事件だったの。
だから、私は彼女のヒーローにはなれない…と書いたのです…。
ホッとした反面、ちょっと…落ち込んでるのよ…。
投稿者 すぴか☆彡 : 2006年04月26日 18:08
あれオレ余計なこと言っちゃったかな・・・?
みゆさん気にしなくて大丈夫ですよ。
なんせすぴか☆ちんはデパ地下の試食品コーナーに
ゴハン持参して試食という試食を残らず食い荒らすほどの
図太い神経をうわなにをするやめqあwせdrftgyふじこlp
・・・・・・嘘ですごめんなさい。・゚・(ノД`;)・゚・
ところで今思ったんだがその「彼」ってのは
も○じゃないよね・・・?
この質問はスルー可で。
投稿者 だめあいす : 2006年04月27日 10:28
むむ?あいす君が変な事言っちゃったか、私が言っちゃったか??
どっちにしても気にしないでいいからねー>みゆ☆彡ちゃん
えー、ところで「も○」では無いですよ。
も○は相変わらず、携帯メル友です。
最近彼は私と同じVodafoneになったので、メール定額でつまらん一言メールの応酬をやっております。暇人2人なのです…。
投稿者 すぴか☆彡 : 2006年04月27日 11:13
ううん・・教えてくれてありがとう♪
正直、最初は辛くてそして、恥ずかしくて泣いちゃった。何もわかってなかったな~ってね。でも、それだけ大変なことなんだ・・ってわかったし、教えてくれなかったらわからないままだった。そっちの方がよけい辛いもの・・(〃⌒ー⌒〃)ゞ エヘヘ
そして・・すぴか☆さんやだめあいすさんの優しさも身にしみたし・・
今はこころがとっても暖かいんですよo(*^▽^*)o~♪
お返事はいいですからね ☆ъ(*゚ー^)> パチンッ♪
投稿者 みゆ☆彡 : 2006年04月29日 12:23